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学会の概要

会長挨拶

ヨウ素学会会長 加納 博文

ヨウ素学会 会長

日宝化学株式会社 取締役

横田善行

今年度から、ヨウ素学会会長を務めさせて頂くこととなりました横田善行です。大変光栄に思うとともに、社会的に緊迫した状況下での船出に、身の引き締まる思いと責任の大きさを痛感しております。この2年間は副会長として、加納前会長の下で、本学会の運営に関わって参りました。

しかし、新型コロナ禍の状況下、今までとは違った運営を余儀なくされ、シンポジウムは2020年度は中止、2021年度はリモート開催となり、充分な活動が出来ませんでした。対面で議論することが出来ず、その重要性を再認識もしましたが、遠方の方も参加しやすい等のメリットもありました。今後は、これら経験を活かしつつ、これまでの会長、各委員の皆様や学会員の方々が築いてこられたヨウ素学会が、一層発展するよう努めて参りたい。

ヨウ素は、人類のみならず生物に必須の元素であるほか、殺菌消毒剤、X線造影剤、工業用触媒、液晶関連、電池関連等、多くの産業分野で利用されております。

ヨウ素の生産は、日本が世界の約30%と、チリに続いて第2位となっており、資源の乏しい日本が世界的に大きな比重を占める貴重な産品です。日本では、千葉県、新潟県、宮崎県で天然ガスとともに出るかん水(古代海水)から生産されています。

このような日本の特産品とも言えるヨウ素を、如何に高度に研究や産業に利用するか、という課題意識から、学会、産業界が、官界の協力も得て1998年6月に「ヨウ素利用研究会(The Forum of Iodine Utilization)」を設立致しました。活動は順調に展開し、2007年7月には、「ヨウ素学会(The Society of Iodine Science)」に改編されました。

本学会は、当初の設立の経緯からもわかる通り、ヨウ素の科学と技術の進歩を図り、我が国の産業と社会の発展に貢献することを目的としています。大学・国公立の研究機関、企業の研究者・技術者、企業経営者等が集まり、この目的に向かって活動をしています。

今後の更なる発展の鍵は、多くの方々の関心をヨウ素に向けてもらうことだと思っております。そういう意味で、ヨウ素の認知度を上げる、ということが、重要なポイントになります。ヨウ素学会の様々な活動は、この認知度の向上を常に意識しながら進めていきたいと考えています。

ヨウ素学会は、毎年、会誌・情報誌の発行、研究助成、シンポジウムの開催、学会賞の表彰等を行って参りました。まだ終息が見えない新型コロナ禍の状況下ではありますが、新たなビジネススタイル、生活形態や価値観への転換も進みつつあります。

また、持続可能な社会を実現するためには、環境問題やSDGsの取り組みが必要不可欠であり、ヨウ素学会も新しい時代に相応しい活動を目指し、産・官・学が協調し、一層の成果をあげることが出来るよう、皆様方のご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

最後にこのたびの新型コロナウィルス感染症(COVID-19)によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げるとともに、罹患された方々およびご家族、関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

令和4年(2022)4月